豊臣秀頼がいる金沢城(かなざわじょう)より、使者が各地へ走った。
岡山は、徳川勢力のど真ん中であり秀頼は、加藤清正、福島正則に守られ前田利長の金沢城へ入っている。
使者の向った先は、徳川家康、奥州独立連合の伊達政宗、会津の上杉景勝、そして九州連合の島津義弘である。
その書状には「上意」の文字が入り、以下の内容が書かれていた。
・全ての諸大名は直ちに争いを中止する事。
・各勢力の総帥は、直ちに加賀金沢へ参集する事。
・参集時の港は、以下の通りとする。
奥州独立連合   七尾湾
上杉家      氷見港
島津家      金沢港
徳川を除いては、皆この書状内容を事前に知っている。
これを見た家康は激怒した。
「なめおって!!!」
その数日後、タイミングを見計らったように島津家、伊達家、上杉家、前田家より一斉に書状が届いた。
この四家は、事前に示し合わせてある。
内容は、金沢に参集しない場合は、全てで討伐に当たるというものである。
同時に届く事などからして、いかにも家康に対する当て付けであった。
現在の状況から見て家康の勢力は、随一であるが完全に孤立している。
全てを敵に回しては勝ち目が薄い。
家康は、迷っている。

第10章・2・迷う家康 | 家康の心を見透かす南光坊天海


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