①「南部信直」痛恨のミス

南部勢は北へ敗走して行く。
そこに和賀勢が待ち伏せしていた。
和賀勢は即、定綱が揚げた狼煙を見て城を出ていたのである。
南部信直はこれにより北への退路を断たれ、安俵城へ入ってしまった。
もともと和賀氏が支配していた安俵城の規模は大きくない。
本来であれば無理をしてでも和賀勢を突破し、北の花巻城に入り迎撃態勢を取るべきであった。
明らかに信直のミスである。

②奮闘の「南部利直」安俵城へ向かう

一方、敗走する南部勢で唯一奮闘している部隊があった。
利直の部隊である。
「父上は無事退却したか?」
「はあ、しかし花巻城へ向かわず安俵城へ入ったとの事でござりまする」
「なに! なぜ安俵などに」
「まあよい、われらもそろそろ引き上げるぞ」
父信直が安俵城に入ってしまったので、利直も仕方なく安俵城へ向かった。


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