三日月の丸くなるまで南部領。広大な領土を誇る南部信直が激怒。

伊達、南部が争っている隙に一揆勢が動き出した。
和賀忠親を旗頭にその数八百が南部方の支城である岩崎城を攻める。
南部の居城、不来方城にいる信直が激怒する。
「おのれ百姓どもが・・利直、直ちに一揆勢を鎮圧せよ」
利直とは南部家の世継ぎ、南部利直である。
父と似ず戦国武将としては珍しく清廉潔白な武将である。
父に怒られているが、敵である政宗を尊敬している程である。
利直が援軍に駆けつけた時は、既に岩崎城は落ちた後であった。
「うむ、敵もなかなかやるのお」
「若殿、関心している場合ではござらぬぞ。早速城をとりもどす手を打たないと」
「しかし、一揆勢がこれほど積極的に出て来たとすると、伊達が一揆を扇動しているのではあるまいか?」
利直は素直であるが、頭はきれる。
その時、使者が現れた。
「伊達勢が信愛様の軍と交戦中。さらに別の伊達軍の後詰めが五里先に近づいておりまする」
「やはり、そうであったか。早速父上に報告せよ」
利直が指示を出す。

<ここでは危ないな>

「よし、陣を西の丘へ移動する」
利直率いる南部勢は、岩崎丘への移動を開始した。


続きを読む
第2章・奥州の独眼龍 目次へ


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です