福島城包囲により必ず上杉軍は動かざるを得ないであろう。

好機到来と思いきや、相手はあの直江兼続である。

独連本隊の政宗に、利直より報告が入った。
<やるではないか、利直殿>
福島を突破されたら米沢の上杉軍は挟み撃ち状態になる可能性が高い。
それを阻止するために、援軍を送るため兵を裂かなければならなくなる。
政宗が叫ぶ。
「利直殿が相馬を諭し、福島城を囲んだ。これにより上杉は援軍を送るなり、何なり動きがあるはずじゃ」
「その機を見逃すことなく一気に襲え」
伊達の前衛に騎砲隊が待機する。
暫く経過し、予想通り上杉軍に動きがあった。
陣形を組んでいる所からある程度の部隊が動くとなると、そこを補強するため必ず移動時に隙が出る。
政宗はそこをつくため騎砲隊以下、一部の隊を上杉軍のぎりぎりまで移動していたのである。
しかし、予想を反して上杉の一隊が車懸りを開始したのである。
伊達前衛部隊は応戦する。
車懸り第二隊が攻撃を止め引き始めると、いきなり車懸りが止まった。
「なぜ止めるのじゃ」
政宗が怪訝そうな表情を浮かべる。
影綱が応える。
「殿、上杉勢は車懸りに見せかけ陣形を移動し、突っかけた一隊と二隊は後ろに回りこむと見せかけ、後詰めに福島城へ向かったみたいですな」
政宗が歯軋りしながら悔しがる。
「兼続め! やりおるわ」
独連本隊は、つけ込む機会を失ったのである。


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