独眼竜・伊達政宗、片倉影綱。

軍神の後継者・上杉景勝、直江兼続との夢のタッグ対決始まる。

福島の戦いで勝利した直江兼続の動きは早かった。
政宗のもとに上杉の使者として、兼続が直々に出向く。
政宗が驚いた表情で話す。
「直江殿、直々に来るとは、いかなる了見でござる」
兼続は堂々と応える。
兼続は上杉家の家臣でありながら、三十万石を超える領主であり並みの大名よりは大身である。
「和議を結びとうござる」
政宗の口元が緩んだが目は笑っていない。
「降伏ではないのか?」
兼続が堂々と笑って答えた。
「なにゆえ、上杉が降伏せねばならぬでござるか?」
「確かに米沢丘では負けたかもしれぬが、大した打撃は受けており申さぬ」
「又、先日この福島にて、伊達勢を敗走させているではござらぬか」
政宗は内心よい条件であれば、和睦してもよいと思っている。
しかし、政宗も役者である。
「伊達としては、別に続けてもよいのでござるが」
「それは、我が上杉とて同じ事」
兼続も一歩も引かない。
「ほう、強気でござるな! しかし、宇都宮方面より結城が侵攻中と聞き及んだが」
先日、伊達と上杉が争っている隙に、家康の次男、結城秀康が会津を目指し進撃を開始していた。
兼続も言い返す。
「上杉は、もともと家康の会津征伐で八万近い大軍を相手にしようと考えていたのござるからの。なんら問題はないでござるが」
兼続の自信はまんざら嘘ではない。
家康の会津征伐のおり、上杉軍は三方面より八万近い大軍を相手にしようとしていたのは事実である。
「それに、政宗殿も時間がおしいと思っているのではござらぬか?」
<それはその通りじゃが>
両者一歩も引かない。
暫く沈黙が続いたが、兼続が沈黙を破った。
<そろそろじゃな>
「伊達殿、それではこう致そう」
兼続が条件次第では、北は米沢、東は福島から郡山までを明渡すと言い出した。条件とはこういう具合である。
・宇都宮方面より進撃してくる結城軍を撃退する事。
・越後旧領回復まで上杉領に攻め入らない事。
・現在、越後を占拠している以外越後領を伊達の版図しない事。
・上杉の越後攻めの際、北より堀勢を牽制する事。
が挙げられた。
時間が惜しい政宗は、二つ返事で答える。
「分かり申した」
これで、独連と上杉の和睦が行われ、不可侵条約が締結された。
上杉は伊達より、家康を敵としていたのであった。


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