①「島津忠長」の勝負勘は抜群であり、島津四兄弟をも凌ぐ。

以倍が戻った。
「ご苦労であった。して吉統はどうであった」
「忠長殿、吉統殿は如水と通じておりまする」
「なに、誠か?」
「城に入るや、何やら不穏な空気が流れておりました。それに策を話した後、吉統殿は鉄砲一千丁で如水を討ち取ると
申しておりました」
「なぜ、一千丁もあるのじゃ?」
「おそらく、場内には密に黒田兵が入っておると思われまする」
その他にも、城内に疲れがなく活気があった事、城の二の丸の一部が封鎖されていた事などを伝えた。

②如水破れたり。

「これで如水の策がみえたな」
「それがしの独断で、当初と違う策を吉統殿に吹き込んでまいった」
以倍が機転を利かし、がせねたを吉統に吹き込んだ事を忠長に話した。
それを逆手にとるため、部隊の役割が決定された。
忠興は、以倍が吉統に吹き込んだ通り、五千の兵にて府内丘裏より夜襲をかけるように移動する。
必ず、黒田軍が何処かに伏兵を配置する筈なので、逆にこれを撃破する。
忠長率いる本隊は、これも以倍が吉統に吹き込んだ通り、府内丘正面にて陣を引くように見せかける。
大友軍が裏切り城より出撃。
忠長本陣の横腹を突き、混乱に乗じて府内丘の黒田軍が攻め寄せてくることが予想されている。
それに対し、あらかじめ大友軍を抑えるための抑えの部隊を用意する。
また、その隙に秋月種長が府内城を占拠する。
翌日の深夜、擬傷の鷹の如く忠興軍が府内丘裏への移動を開始した。

 

島津忠長曰く「老いたか如水め、大友吉統如きに我らを欺けると思うてか」


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