①政宗、豊臣秀吉をも凌駕する「家康の野戦術に翻弄される。

中央に激戦が続く中、今度は徳川方の山内隊が上流方向に移動した。
独連軍の一部が、釣られように上流へ移動する。
すると今度は、独連前衛左に浅野幸長隊が斬り込んだ。
独連軍も応戦するが、浅野勢もこれまた凄まじい勢いで猛攻をかける。
これに対して、独連側としたら中央、右と攻められた状態である。
独連側は仕方なく、手の空いている左側部隊の一部を差し向けた。
そして、この一瞬の隙を井伊直政が見逃す筈はなかった。
直政が吼える。
「今じゃ、一気に付け入れ!」
直政率いる紅備えが、独連側左に雪崩れ込む。
政宗が叫ぶ。
<まずい>

 

第一次・利根川の戦い、両軍の攻防

① 徳川軍小船集団が伊達軍に発砲
② 池田勢、攻撃開始
③ 山内勢、上流に移動し独連軍の右部に隙を作る
④ 浅野勢、攻撃開始
⑤ 独連軍左部、中央を援助
⑥ 井伊勢、独連軍左部を攻撃

 

井伊の赤備えに独連軍前衛が総崩れか

「左部隊に援兵を指し向けい」
紅備えは、徳川最強部隊で精鋭揃いである。
見る見るうちに、川向こうの独連側の柵に張り付き出した。
影綱が指示を出す。
「鉄砲隊を左部隊側に移動せい」
影綱は本隊を守るため、井伊勢が迫る左部への防御を固めた。
独連前衛左部が突破され、そのまま本陣に迫るものと思われた。
しかし井伊の紅備えは独連前衛中央の側面を攻撃し始めた。
これによって、前衛部隊は総崩れとなる。


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