分かっても掛かる、知ってははいるが、島津の「釣り野伏せ」

毛利方は、圧倒的な兵力差にて安心しきっている。

しかも、連合軍という事でまとまりがない。

軍議を行っても、小早川秀秋が大将面をすることで軍議をしらけさせている有様であった。

そういう中で、口火を切ったのは島津であった。

囮部隊である島津豊久が、小早川隊に攻めかかった。

他の部隊には目も向けない。

毛利方は事前に、釣り野伏せに引っかからぬように示し合わせていたため、当初は引っかかってこなかった。

豊久は引っかからないならば、と思い小早川軍本陣まで突き進む勢いで攻め立てた。

小早川勢が必死に防戦する。

豊久は引き上げ始めが、小早川軍は追ってくることはなかった。

豊久が本陣に帰る。

「くそ、秀秋だと簡単に乗ってくるかと思ったが」

忠恒が労う。

「それでよい、これで秀秋は島津を追い返したと付け上がるは必定」

「明日、もう一度攻められよ」

「小早川秀秋」に呆れ返る毛利陣営。

この夜、毛利方で軍議が行われる中、秀秋は鼻たかだかである。

「見られたか。我が小早川軍に恐れをなして、あの島津が逃げ帰ったぞ」

他の者たちは皆、呆れ顔である。

<馬鹿か!?>

細川忠興が秀秋を窘める。

「小早川殿、あれは島津がわざと引いたのでござるよ」

秀秋が顔を真っ赤に染めて反論する。

「細川殿、そんなに小早川の活躍が悔しかったのか?」

もはや、忠興は秀秋を相手にしなかった

<何を言っても無駄じゃ>

秀秋は、今回もまた軍議をしらけさせてしまった


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