徳川家康に靡く豊臣五奉行達。

大坂城、家康の前に二人の男がいる。

豊臣五奉行の一人、増田長盛そして、秀頼守役の片桐且元である。

長盛は、徳川の力を悟り、会津征伐の時より密かに家康に内通していた。

三成挙兵を家康に報せたのがこの長盛である。

且元は純粋に秀頼の将来を危惧していたが、秀頼の母、淀の方の息がかかる者から冷遇されていた。

且元は殆ど名だけとなった豊臣家を案じ、家康と通じていたに過ぎない。

それが、誤解を生み淀の方の逆鱗に触れた。

大坂城における最大の権力者は、淀の方と言っても過言ではない。

淀の方だけではなく、当然、淀の方に媚を売る人間もそれに習う。

そういう人間は何処にでもいる。

現代でも情けない事に、時の権力者に合わせて、日頃関わりない者の悪口を言う者でさえ存在する。

面白い事に、そういう人間たちは、権力者に内心馬鹿にされている事も気付かない者が多い。

浅野長政、増田長盛などは既に家康と内通していた。

そいう経緯にて且元は、秀頼が心配ではあったが、もはや豊臣家に居場所がない状態だった。

家康の邪心が漂う眼が長盛を突き刺す。

「この家康が天下を取る為、秀頼暗殺のため密かに刺客を送ろうとしていると豊臣中枢に噂せよ」

且元にはそれを誇張せよと命じた。


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