徳川家康に密告書を送る最上義光。

政宗が屋代影頼に念を押す。
「叔父上の監視を怠るな」
義光は、密かに家康宛てに書状を送った。
密告書である。
“政宗が奥州にて連合を結成し、家康殿に対向する勢力を結成しようと企んでいる”という内容である。
その使者を、黒幅巾が捕らえ政宗の下へ送った。
「叔父上も、おとなしくしておればよかったものを」
その頃丁度、南部勢と秋田勢の津軽制圧が完了していた。
「よし、連合を呼び寄せよ」
連合の諸将が仙台城に集まった。
伊達家家臣団、南部利直、最上義光のほか、新しく連合入りした、秋田実季、小野寺義道などである。
「各々方、お集まり頂きご苦労でござる」
連合結成の呼びかけ以来、諸将が集まったのはこれが始めてである。
「これより、これからの方針、役割などを確認し、検討を行いたいと存ずる」
「しかし、その前に非常に残念な事がござる」
諸将がざわめく。
「まずは、この書状を見てもらいたい」
義光が顔を真っ青にした。
<まさか>
南部利直が義光に問いただした。
「義光殿、これは誠でござるか?」
義光は答えない。
他の諸将も騒ぎ立てる。
「これは、裏切りじゃ。わしらを徳川に売ったか!!」
政宗が静かに話し始めた。
「叔父上、これは許されることではありませぬぞ」
「本来ならば、死に値するが、この政宗はそれを望まぬ」
下を向いたままの義光に、政宗が静かに話す。
「引退なされよ」
こうして、出羽の曉勇こと最上義光は隠居し、出羽は伊達家預かりとなった。


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