関ヶ原を脱出する島津軍より、石田三成に的を絞った「徳川家康」。
家康が叫ぶ。
「島津はもうよい。三成を討て」
<小早川は未だ動かぬか>
いつの間にか、東軍は宇喜多勢を押し戻し、暫くがっぷりよつ状態となった。
家康は、松尾山に陣する小早川秀秋を恫喝する。
「忠勝、小早川を脅してやれ」
小早川とは、小早川中納言秀秋の事である。
兼ねてより家康へ裏切る事を約してあった。
ちなみに秀秋は一万五千の大軍を連れて来ている。
それが動かないので家康は脅しに出たのであった。
小早川陣内近くに銃声が響いた。
秀秋は狼狽える。
「なんじゃ!」
家老の石見佐渡守が答える。
「殿! 家康殿の催促でござるぞ」
秀秋は未だ迷っている。
<どうすればよいのじゃ>
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