薩摩の風に送られて・プロローグ

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プロローグ~8.会津上杉征伐

家康は完全に、自分に従わない豊臣派の巨大勢力に的を絞っている。我が物顔で大坂城へ入り、諸大名との勝手な縁組。そして三成を失脚、前田家服従をさせてしまった家康はついに勝負に出た。会津百二十万石、上杉景勝を職務のため大坂城へ呼び寄せる使者を送っ...
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プロローグ~7.大納言、前田利家の死

雨が降る夜、前田利家がこの世を去った。家康封じに精魂を使い果たしてしまったのであろうか?家康の活動はますます活発になる。次に謀略の餌食に選んだのは、利家のいない加賀百万石の前田家であった。家康としては、百万石を領するこの大大名を放っておく分...
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プロローグ~6.大坂城の主

三成が伏見へ移動した。三成の姿が大坂城より消えると、ますます家康の横暴があからさまになってきた。ご法度である諸大名との勝手な縁組を行うなど、歯止めがきかない状態となる。正信が大声で騒いでいる。少々大袈裟である。「殿、との! こんな所におって...
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プロローグ~5.三成襲撃

その夜事件が起こった。加藤清正をはじめとする豊臣子飼いの武闘派大名が、三成を襲ったのである。豊臣子飼いには、武断派と文官派が存在する。武断派は加藤清正、福島正則、細川忠興、黒田長政、加藤嘉明、浅野幸長、池田輝政等。文官派は主に石田三成、長束...
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プロローグ~4.大坂城入り

諸大名の大坂城移動が表明されたにも関わらず、動かない大名がいた。加藤清正、福島正則等、反三成派の大名である。これには家康は喜んだ。家康は、この移動で自分方に付く大名に目星をつけたかったのだ。「うむ、まずまずじゃな」加藤清正に限っては、朝鮮よ...
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プロローグ~3.駆け引き

家康は兵二千のみを率いて京都の伏見城へ入った。伏見城は豊臣政権の政務を行う拠点である。伏見城に五大老及び、五奉行が集まった。今後の体制を確認するためである。当時、豊臣政権では五大老、五奉行制を執っていた。五大老とは徳川家康、前田利家この二人...
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プロローグ~2.密談

家康のもとに三人の男がやって来た。本多親子と南光坊天海である。本多親子とは、徳川の謀将「本多正信」とその子、本多正純の事である。正信は主に徳川の政略面を、南光坊天海は影の参謀の役割を担い、また家康の相談相手となっている。「殿、やっとこの時が...
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プロローグ~1.伏龍

「死んだか・・」満面な笑みを浮かべるのは、内大臣(内府)こと徳川家康である。日本でこの時を一番待ったのが、この家康であろう。「半三、すぐに正信を呼べ」姿を消す半三。半三とは、かの有名な忍び服部半蔵正成の子「半三正就」である。徳川にはもう一人...