清正が、話題を変える。
「分かり申した。それでは、そこにおられる前田家が謀反を起したという噂があったが」
家康が応える。
「それは、噂であるから真意は何とも言えんが」
「家康殿が、自ら噂を撒いたと聞いたが、如何に?」
「何でこのわしが、そのような噂を撒く必要があるのじゃ。無礼にも程があるわい」
清正が、しつこく食い下がる。
あまりのしつこさに、流石に家康が怒った。
「そのような噂を信じる方が、おかしいとは思わぬか?」
「もしそれが真実ならば、証拠があるのか?ないであろう!」
政宗が、慌てた表情で清正に言う。
「加藤殿、そこまで言う事はなかろう!」
清正が謝罪する。
「徳川殿、それがしが言い過ぎました。お許し下され」
家康は、秀頼に対して更に言う。
「当たり前じゃ。もしそれが真実ならば、秀頼様。この家康は罰を受けるつもりであります」
評定の場は、終始家康ペースと思われた。
しかし、状況は一転する。
政宗が細く笑む。
それに続き他の諸将もにやけ出す。
第十章・天下三分の計 | 島津義弘と伊達政宗の戦いが遂に決着
第10章・⑭我が人生に悔いは無し | 小説「薩摩の風に送られて」最終話
ここ薩摩島津の居城「鹿児島城」には、島津義弘と忠恒が何やら話し込んでい 続きを読む…
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金沢評定1 · 2023年2月19日 12:33 AM
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