直政曰く「狙うは島津義弘、鬼の首ただひとつ」

井伊直政には石田三成の首には興味がなかった。

豊久が義弘に話し掛ける。

「叔父上、家康陣内が騒がしくなりましたな」

「うむ! そろそろしびれを切らしたらしいな」

義弘は各部隊長を集合させた。

「間もなく、東軍側が押し寄せてこよう。潮時じゃ!!」

「その前に、我らはここを脱出する」

山田有栄が問う。

「戦場に来て、何もせず帰るのは少々寂しい気がしますな」

義弘が答える。

「ただ脱出するのは面白くないゆえ、家康に島津の強さを見せ付けてから引き上げる」

義弘は脱出の経路を説明した。

まずは西軍に攻撃を仕掛けわざと引く。

そして追いかける西軍を引き連れるように、東軍の中央を突っ切って伊勢路から堺へ出る。

堺より海路で薩摩へ帰る。

本当は、堺ではなくそのまま伊勢より海路に出たいが、伊勢湾には東軍側についた日本最強の水軍、九鬼水軍がいる。

このため、わざわざ堺を選択したのであった。

既に堺には、内密に船の手配をしてある。


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